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水道工事の現場力

次世代を担う、スマートなチャレンジャー

この記事でわかること

限られた人員で最大の成果を出すには、戦略的な事業設計と業務効率化の両立が欠かせません。秋田県のM・Tコンサルティング株式会社は、令和3年加入の後発企業でありながら、「無理に広げない経営」とDXの組み合わせで独自のポジションを築いています。本記事では、同社の意思決定プロセスと現場変革のリアルから、これからの管工事業のあり方を読み解きます。

秋田の水道工事を変える企業の挑戦

昭和24年に設立された秋田管工事業協同組合は、長年にわたり地域の水道インフラを支えてきた歴史と伝統ある組織です。その中で、令和3年に同組合へ加入し、新しい立場から事業に取り組んでいるのが、M・Tコンサルティング株式会社です。

後発としての立場は制約もありますが、一方で、既存のやり方にとらわれず、新しい仕組みを柔軟に取り入れやすい環境でもあります。同社はその特性を前向きに捉え、自社の体制に見合った成長のあり方を模索してきました。

同社で執行役員常務を務める久松様は、これまでに大手建設会社での業務経験を持っています。その経験から同社に参画した当初より、「大手クラスが使っている高度な仕組みを取り入れ、業務レベルを底上げしたい」という明確な問題意識を持っていました。

M・Tコンサルティング株式会社の皆様

左から、同社専務取締役 板橋様・代表取締役社長 板橋様・執行役員常務 久松様・水道事業部主任 加賀屋様

「現在の体制で最大成果を出す」ための、戦略的なレンジ選択

M・Tコンサルティングの経営判断には、一貫した姿勢があります。それは、規模の拡大を目的にしないということです。

事業領域をむやみに広げるのではなく、今の組織体制で最も高いパフォーマンスを発揮できる領域にリソースを集中させる。この合理的な考え方が、経営の軸になっています。

管理者が無理なく対応できる範囲を冷静に見極め、自社の強みが最も活きる案件に注力する。同時に、デジタルツールを積極的に活用し、データ作成まで一括で任せられる信頼性の高いパートナーとしての評価も着実に高めてきました。

質と効率を重視した価値提供。
これこそが、同社の持続可能な成長を支える戦略の核です。

現場が終わっても続く書類作成業務と、DXという選択

しかし、この戦略を実行するためには、管工事現場特有の「アナログな業務負担」という課題を避けて通ることはできませんでした。

「日中の現場作業が終わったあと、事務所に戻って夜遅くまで書類作成に追われることもありました」

そう振り返るのは、主任の加賀屋様です。現場から上がる「時間が足りない」という声は、限られた人員で高い生産性を目指す同社にとって、見過ごせない課題でした。

そこで、久松様が導入を決断したのが、クボタの『施工情報システムⅡ』です。水道工事に特化し、現場と事務所をリアルタイムにつなぐ施工管理のシステムです。現場で入力した情報をもとに、日報やチェックシートなどの帳票を自動作成できる点が、同社の業務フローと高い親和性を持っていました。

実際に同システムの機能に触れたとき「これなら現場の負担を軽減しながら、業務全体の質と収益性を高められる」と久松様は確信したといいます。

M・Tコンサルティング株式会社の皆様のお写真

現場作業後の書類業務の負担について語る加賀屋様と久松様

発注者の「理解」と、事前に整えられていた土壌

システム導入を後押しした大きな要因の一つが、管工事組合主催の意見交換会の場でした。そこには、発注者である自治体の担当者も同席していたため、同社は「これを使ってOKを出してくれるのですか?」と担当者に率直に問いかけます。

「その場で『問題ない』と言ってもらえたことが、何よりの安心材料でした」と久松様は語ります。同社の問いに対し、自治体の担当者からは前向きな回答が得られました。加えて、同社では以前から管理者全員にiPadを配布し、日常的にデジタルツールを活用する環境を整えていました。

そのため、システム導入後の現場への浸透も非常にスムーズだったといいます。

M・Tコンサルティング株式会社 久松様

秋田県内初の導入実績も決断を後押ししたと語る久松様

生まれた「時間の余裕」が、次なる成長への原動力に

施工情報システムⅡの導入により、現場での入力作業と事務所での確認・提出が分業できる体制が整いました。これにより、事務所へ戻る頻度や作業時間は大幅に削減され、土曜出勤や深夜残業も減少していると久松様は語ります。

「現場からは『時間が足りない』という声がずっと上がっていました。それがなくなったのは、本当に大きな変化です。今は、現場で入力してデータを飛ばせば、事務所で確認してそのまま提出できます」

効率化によって生まれた時間の余裕は、次の成長へと活かされています。
施工品質の向上や業務全体の見直し、新たな案件への対応力強化など——。いずれも、時間の余裕が生まれたからこそ向き合うことができる取り組みです。
DXは単なる便利ツールではなく、限られたリソースで最大の成果を生み出す業務基盤。同社にとって、そうした位置づけに変わっていきました。

M・Tコンサルティング株式会社 久松様、加賀屋様

新社屋への移転に合わせてスタンディングテーブルも設置。新しい働き方への取り組みが進む

「かっこいい建設業」を目指して――次世代に選ばれる企業へ

同社の挑戦は、システム導入だけにとどまりません。

新社屋への移転やオフィスのフリーアドレス化など、働き方そのものの刷新にも取り組んでいます。

「若手や新卒に『超アナログな会社』だと思われてしまったら、選択肢から外れてしまいます。まずは形からでも『新しくて、かっこいい』と感じてもらえるよう、改革を進めています」と久松様は語ります。

自社の体制に見合った領域で、スマートに価値を提供し続けること。そして、次世代に選ばれる企業であり続けること。令和3年加入の後発企業だからこそ、やり方を変える。

M・Tコンサルティング株式会社は、「次世代のチャレンジャー」として、秋田の管工事現場を変革する挑戦を続けています。その一つひとつの挑戦が、現場を前に進める“TRY”となって積み重なっています。

M・Tコンサルティング株式会社 新社屋

令和7年7月24日より新社屋での営業を開始。新たな挑戦は続く

まとめ

  • 規模拡大ではなく「最適レンジでの最大成果」を志向する経営判断
  • 現場と事務所の分業化により、夜間・休日業務を大幅に削減
  • 発注者の理解と社内環境整備(iPad配布等)がDXの土壌を形成
  • DXは「便利なツール」ではなく「業務基盤」として再定義された
  • 働き方・オフィス改革を通じ、次世代人材に選ばれる企業像へ転換

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この記事の取材先

執行役員常務

M・Tコンサルティング株式会社 久松氏

秋田県を拠点とする管工事事業者。令和3年に秋田管工事業協同組合へ加入した後発企業ながら、戦略的な事業領域選定とDX活用により独自のポジションを確立。秋田県内で初の『施工情報システムⅡ』導入事例として注目を集めている。