水道工事の現場力
現場で慌てない! GX形施工で“押さえておきたい”確認ポイント3選
第1回|ゴム輪ずれを防ぐ編
この記事でわかること
GX形施工における「ゴム輪ずれ」の発生要因と、現場で迷いやすい確認ポイントを体系的に整理。GX形専用チェックゲージによる全周チェックと円周8ヶ所測定の役割と実施手順、さらに施工情報システムIIを活用した確認・記録運用の最適な進め方を理解できる。
01 はじめに
GX形ダクタイル鉄管は、今や特別な管種ではありません。それでも現場では、継手形状や切管方式が重なると、「どこを確認すればいいんだっけ?」「合格範囲、今回はどれだ?」と、接合要領書を開き直して手が止まる場面が少なくありません。本記事では、GX形施工で漏水や手戻りを防ぐために押さえておきたい確認ポイントを3つに整理し、接合要領書の考え方に沿って、現場で迷わず確認できるポイントをシリーズで解説します。第1回となる今回は、漏水防止の要となるゴム輪の管理に絞って解説します。
02 最後は「ゴム輪位置」を数値で確認する
GX形専用チェックゲージ(全周+円周8ヶ所)
ゴム輪ずれは、滑剤不足や砂・小石などの異物噛み等が原因で発生します。日本ダクタイル鉄管協会が発行する接合要領書では、異物の除去や滑剤の塗布を確認するステップがありますが、最終的には「ゴム輪位置のチェック」で発見することが可能です。だからこそ、この確認作業を短時間で、確実に実施できる形にしておくことが重要になります。
ゴム輪ずれの実例①。滑剤不足や異物噛みにより、所定位置からずれが生じている。
ゴム輪ずれの実例②。滑剤不足や異物噛みにより、所定位置からずれが生じている。
よくあるNG例
・接合後のゴム輪位置確認を省略・簡略化してしまう
・専用チェックゲージを使わず、目視や薄板ゲージだけで判断してしまう
・全周をチェックせず、一部だけの確認で終えてしまう
これらは、ゴム輪ずれを見逃す原因になります。
現場での確認ポイント
接合要領書に沿って清掃・異物除去と滑剤塗布を徹底したうえで、以下の流れで確認します。
挿し口がゴム輪を通過した段階で一度、全周チェック
GX形専用チェックゲージを用い、全周に異常がないか確認します。ロックリング通過前のため、問題があっても手直しがしやすいタイミングです。
接合後、接合要領書通りに最終確認を実施
GX形専用チェックゲージで全周確認を行い、続いて円周8ヶ所の入り込み量を測定・記録します。
※NS形等で使用する薄板ゲージや、異形管のメタルタッチ確認で用いる0.5mmの隙間ゲージとは異なります。取り違えに注意してください。
確認ポイントの考え方
全周チェック:ずれや異物噛みなど「異常がないか」を見つける工程
8ヶ所測定:測定値として「記録・証拠を残す」工程
どちらか一方では不十分です。全周+8ヶ所の両方を行うことで、確実な品質管理につながります。
清掃不足により受口に小石が残留した状態。ゴム輪ずれの原因になる。
白線A・Bを基準とした正しい滑剤塗布範囲(上)と、不適切な塗布例(下)。
挿し口がゴム輪を通過した段階での全周チェックと、接合後の本確認の2段階で実施。
薄板ゲージでの代用は不可。必ずGX形専用チェックゲージを使用すること
03 これで解決!現場をスムーズに回す実践アドバイス
よくある勘違いQ&A
Q1.ダクタイル鉄管を接合するときに、バックホウなどの建設機械を使用できる?
A.管の接合は建設機械を使用せず、必ずレバーホイストを使用してください。
ゴム輪ずれが発生する場合、管の挿入力が大きくなる可能性が高いので、挿入力に異常を感じた場合は接合作業を止めて、ゴム輪の状態を確認してください。
Q2.ゴム輪ずれを防ぐために、施工前に一番効く段取りは?
A.「滑剤の正確な塗布」と「清掃・異物除去」です。
Q3.ゴム輪チェックは、薄板ゲージで代用できる?
A.代用できません。必ずGX形専用チェックゲージを使用してください。
Q4.「全周チェック」と「円周8ヶ所測定」、どちらが必須?順番は?
A.どちらも必須です。まず、全周チェックで異常がないかを確認し、円周8ヶ所測定値で記録を残す、という役割分担で実施します。
「全周チェックで異常の有無を確認し、円周8ヶ所測定で数値として記録を残す。両方の実施が必須。」
04 施工情報システムIIで「チェック漏れ」と「記録の手間」を減らす
接合要領書のチェックシートは、正しく用いれば非常に有効な品質管理ツールです。一方で、忙しい現場ほど「確認はしたが記録が後回しになる」「転記ミスや書き忘れが発生する」といった課題も起こりがちです。
施工情報システムIIを活用すれば、
・ガイダンスに沿った入力による確認漏れ防止
・サイトチェッカーによりゴム輪位置(入り込み量)の測定値をBluetooth連携で記録可能
・チェックシート/帳票の自動作成
といった形で、接合要領書通りの確認を「続けやすい仕組み」として現場に定着させることができます。
まとめ|第1回のポイント
- ゴム輪ずれは最終チェックで防げるトラブル
- 清掃・滑剤塗布を確実に実施
- GX形専用チェックゲージによる全周チェック+円周8ヶ所測定・記録を徹底
- 毎回同じ手順で実施することが品質安定の鍵
次回予告
次回は「切管時に見落としがちな溝切が必要なケース」について解説します。
円周8ヶ所の入り込み量をシステム上で入力・記録できるUI。
サイトチェッカーで測定値を直接システムに連携。二重転記を防止。










