水道工事の現場力
現場で慌てない! GX形施工で“押さえておきたい”確認ポイント3選
第3回|挿入量を管理する編
この記事でわかること
GX形ダクタイル鉄管は、今や特別な管種ではありません。それでも現場では、継手形状や切管方式が重なると、「どこを確認すればいいんだっけ?」「合格範囲、今回はどれだ?」と、接合要領書を開き直して手が止まる場面が少なくありません。
本記事では、GX形施工で漏水や手戻りを防ぐために押さえておきたい確認ポイントを3つに整理し、接合要領書の考え方に沿って、現場で迷わず確認できるポイントをシリーズで解説します。
第3回の今回は、耐震性と水密性を確保するうえで重要な、挿し口の挿入量の管理に絞って解説します。
(本記事の内容は呼び径450以下を対象としています)
01 挿入量の管理は、「受口×挿し口」の組合せで決まる
GX形をはじめとする耐震型ダクタイル鉄管は、屈曲・伸縮性能と離脱防止性能によって高い耐震性を発揮します。これらの性能を発揮するためには、施工時に挿し口が受口内の正しい位置に収まっていることが必要です。正しい位置かどうかは挿し口挿入量を管理することで判断できます。しかし、この判断は「受口×挿し口」の組合せによって異なるため、管理を適切に行わないと、地震時に継手が離脱し、漏水が生じる恐れがあります。
図①:挿し口のパターン。直管挿し口には白線A・白線Bを、異形管挿し口には赤線が表示されている。
図②:受口のパターン。継ぎ輪は受口形状・管理方法が異なる。
NG例
- 挿入前、挿し口に白線を現地で明示すべきなのに、白線を引いていない、または一部にしか引いていない
- 異形管挿し口×ライナ付き直管受口の組合せで、挿入後の白線明示ができていない
- 直管挿し口×直管受口の組合せで、受口端面が白線A上にない
現場での確認ポイント
挿入量が不十分な場合、挿し口突部がロックリングを越えていない可能性があるため、継手の耐震性能が十分に発揮できない恐れがあります。そのため、挿し口先端が受口のどの位置まで入っているか、挿入後に確実に確認できる形にしておくことが重要です。接合要領書に沿って、特に下記の点に注意して施工します。
- 下表でオレンジの組合せの場合は、接合前に受口ののみ込み量Xを測って白線を明示します(全周、または周方向に4ヶ所以上)。接合直後に、受口端面と白線が全周で合っているか確認します。
- 異形管挿し口とライナ付き直管受口の組合せでも白線を明示しますが、前述のオレンジ箇所の組合せとは異なり、挿入後に明示します。レバーホイスト等で引き込んだ状態で明示し、明示した白線と元からある赤線の間隔が10mm以下かを確認します。
- 直管の挿し口には白線が2本引かれていますが、挿入量の管理で使用するのは挿し口先端に近い白線Aです。白線A上に受口端面がないと、地震時に挿入量が不足する恐れがあります。
図③:「受口×挿し口」の組合せ別の管理方法一覧。
接合例(日本ダクタイル鉄管協会 接合動画より)
図④:ライナ付き直管受口×異形管挿し口の接合例(左:距離を実測/右:挿入後の白線明示)。
図⑤:異形管受口×直管挿し口の接合例(左:のみ込み量Xを実測/右:事前の白線明示)。
02 これで解決!現場をスムーズに回す実践アドバイス
よくある勘違いQ&A
Q1. 直管挿し口の管理では、元の白線A/Bがあれば十分?
A. 「受口×挿し口」の組み合わせによります。受口が直管(ライナ付き)や異形管の場合、挿入量の実測と白線の現地明示が必要になるケースがあります(本編1の図を参照)。
Q2. 異形管挿し口を挿入する場合は必ず赤線で管理?
A. 異形管挿し口の赤線で管理するのは受口がライナ付き直管の場合です。受口が異形管の場合、挿し口が異形管であっても挿入前の白線明示が必要です。
Q3. 挿し口が切管の場合は直管と同様の管理?
A. 切管ユニットを使用する場合は、挿入前にのみ込み量Xに応じた白線を挿し口へ現地明示します。P-Linkを使用する場合はP-Linkののみ込み量、G-Linkを使用する場合は挿入する異形管受口ののみ込み量を明示します。また、切管用挿し口リングを使用する場合は、挿入前に切管側の挿し口に白線A・Bを明示したうえで直管挿し口と同様の管理を行います。
図⑥:組合せ別・挿入前の白線明示イメージ。
図⑦:切管使用時の挿入量管理(P-Link/G-Link)。接合前にX部を実測し、白線を明示する。※切管用挿し口リング使用時の管理方法は本文Q3内のテキストで解説。
施工情報システムIIで 「チェック漏れ」 と 「記録の手間」 を減らす
接合要領書のチェックシートは、正しく用いれば非常に有効な品質管理ツールです。一方で、忙しい現場ほど「確認はしたが記録が後回しになる」「転記ミスや書き忘れが発生する」といった課題も起こりがちです。施工情報システムIIを活用すれば、
- ガイダンスに沿った入力による確認漏れ防止
- 使用管材に応じた接合要領書を、現場でその場で確認
- チェックシート/帳票の自動作成
といった形で、接合要領書どおりの確認を「続けやすい仕組み」として現場に定着させることができます。
まとめ|第3回のポイント
- 挿入量不足は耐震性・水密性に関わる重要ポイント
- 受口と挿し口の組合せごとに管理方法を確認
- 特に、現地での白線明示が必要な「受口×挿し口」の組合せを要チェック
- 毎回同じ手順で実施することが品質安定の鍵









